連日のニュースでの報道もあり、日本全国のみならず世界中の老若男女でPCRという「言葉」を知らない人はほとんどいないでしょう。そしてみんな当たり前のように新型コロナ診断のための検査法として考えています。
しかし、「言葉」だけでなく、その本当の意味する事、正しい使い方、注意点についてちゃんと理解している人はほとんどいないのではないでしょうか。
PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法)とはアメリカの生化学者のキャリー・マリス博士が発明したDNAの断片を数百万~数億倍に増幅させる方法で、この功績で1993年にノーベル化学賞を受賞しています。
簡単に言うとDNAの配列の一部分から全体を類推する方法です。
この方法はウイルスのDNAに限った事ではなく、農水産物の品種識別、親子鑑定、犯罪捜査における犯人特定などと広く用いられています。
ちなみに現在行われているのは新型コロナウイルスはDNAを持たないRNAウイルスであるため、逆転写酵素を用いてRNAの増幅に応用したRT-PCR検査という方法です。
キャリー博士は偶然?にも新型コロナ騒動が始まる直前の2019年8月に原因不明の死を遂げています。
博士は生前から「PCRを感染症の診断に用いてはならない」と訴えていました。
さらにPCRの検査機器、検査キットの取り扱い説明書、注意事項には試験・研究用のため、いかなる場合も人・動物への医療・診断目的の使用はできませんと明確に記載してあります。
ところがご存知の様に当たり前の様に新型コロナのスクリーニング検査に使われています。
その使用してはいけない理由というのは以下の問題点からです。
1)「陽性者」=「感染者」ではない
通常の医学的な「感染」とはウイルス、細菌が体内に侵入・増殖すること、さらに何らかの症状を起こすと「発症」となります。つまり粘膜にウイルスが付着した状態では感染とは言いません。
しかし、PCR法は遺伝子を数億倍にも増幅させるために実際に感染・発症を起こさないくらいの微量なウイルスやウイルスの死骸でも陽性を示してしまいます。
さらにその増幅に必要な回数(これをCT値といいます)を多くするほどウイルス量がごく少量で、他人に感染する恐れがない健康な人まで陽性と判定されてしまいます。
日本では40回近い増幅を繰り返していますが、英国のオックスフォード大学の研究では35回以上増幅すると他人に感染力のあるウイルスは8.3%しか培養できなかったと報告しています。
つまり40回以上増幅すると90%以上が感染・発症の可能性のないウイルスの死骸、他の物を検出している「偽陽性」となり、PCRが病気を作り上げているという構図になっています。
ちなみに25回以下の増幅回数だと85%以上に感染力のあるウイルスが培養できており、国際的には30~35回くらいの増幅回数が適正との意見が多いようです。
こうして作り上げられたPCR陽性者をマスコミがせっせと「感染者」として報道するので実体のない感染爆発との印象を与えてしまっています。
2)新型コロナウイルス以外でも「陽性」になる
PCR法はウイルスそのものを検出するのではなく、検体中の遺伝子の一部の配列から、いわば間接的に判断しているため他のウイルス(インフルエンザ、アデノウイルス、RSウイルスなど)でも陽性を示したり、アフリカのタンザニアではパパイヤで陽性反応が出たという笑えないような話もあります。
3)PCR法の正しい精度の評価(感度の判定)ができない
感染があって検査で正しく陽性と判定できたことを真陽性、逆に感染はあっても検査で陰性と判定される事を偽陰性といいます。そして感染があった人を正しく陽性と判定できた割合(真陽性率)の事を検査の感度と言います。また、逆に感染がなかった人を陽性と判定してしまった事を偽陽性と言います。
臨床検査というのは100%正確という事はありませんので、その検査の精度の評価のためには感度の判定を行わなければなりません。特に人の臨床検査に用いるべきではないはずのPCR検査も当然感度の評価をしなくてはなりません。
しかし、今回のコロナの診断にあたってはPCR陽性=感染と定義してしまっているために、感染していて陰性になる偽陰性というものが存在しない事になり(PCR陰性=コロナ感染ではないと判定される)、つまり感度は100%という結果になってしまいます。
本来ならば新型コロナウイルスというのは感染症なので、その感染力の測定というのが重要なポイントになるはずですが、PCRではその感染力の判定はできません。
そこでPCRとは別の方法で同じ検体の感染力を測定して、その結果をPCRの結果と照らし合わせて感度を判定しなければなりません。
実際、日本疫学会は『今回のコロナウイルス感染症については、実際に感染していることの把握が難しいことから、実際の感染者に対してのPCR検査がどれほど正しく診断できているかについての正確性の計算がまだできていません』とホームページ上に掲載しています。
PCRの感度をネットで検索をすると30〜90%と色んな数値が出てきますが、前述の通りPCR陽性=感染者と定義している以上、どうやってPCR陰性の感染者を検出したというのでしょうか。
この様に問題があり過ぎるPCRでのスクリーニング検査を日本はいつまで続けるつもりなんでしょうか。
米国では2022年4月に呼気検査法が緊急承認されており、海外では次第にPCRから呼気テストへ移行すると言われてますが、きっと日本はワクチンの様に海外のPCR検査キットの在庫処理を押し付けられて、しばらくこのままの状態が続きそうです。
それはPCRによるインチキ感染者による虚構のコロナ騒動で大きな利権を得て大儲けしている医療界、そしてゼロコロナ政策を掲げることで巨大な省益を得ている厚生労働省がそう簡単にそれを手放すとは思えないからです。
万年赤字続きだった大病院は使用するしないに関わらずコロナ病床を確保するだけで巨額の補助金が入って大黒字に転換し、開業医も原価ゼロのワクチン接種でかなりの収入を得ています。
ちなみに国のコロナ関連の令和2年度の単年度予算額は77兆円という東日本大震災復興予算の10年分の32兆円の2倍以上という超巨大利権です。
これは国民一人当たり約61万円相当です。
しかし、国はワクチン接種後の1700人以上の死亡者には因果関係不明として死亡一時金の4420万円を誰一人として支払っていません。
この虚構のコロナ騒動を作り上げている元凶となっているPCR検査が使われなくなる日はいつになるのでしょうか ?
(文責: 八子胃腸科内科クリニック 八子章生)