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Drummer 古川”カルロス”日呂之 のブログ

コロナワクチンをめぐるイタリアの状況について/荒川央 博士

荒川央 (あらかわ ひろし)
 1991年 京都大学理学部卒業 1996年 京都大学理学博士 (分子生物学、免疫学) バーゼル免疫学研究所 (バーゼル)、ハインリッヒ・ペッテ研究所 (ハンブルク)、ヘルムホルツ研究所 (ミュンヘン)、マックスプランク研究所 (ミュンヘン) を経て分子腫瘍学研究所 (ミラノ)所属

 

いつもはなるべく科学的な内容に絞って記事を書くように努めているのですが、一度私自身の視点で見た私の周りのコロナワクチンをめぐる状況について主観的に書いてみようと思います。

「グリーンパス」とはイタリアにおけるワクチンパスポートの呼称です。ワクチン未接種でもPCR、抗体検査などのコロナ陰性証明により48時間有効のグリーンパスを取得する事はできます。ちなみにイタリアでは抗体検査による陰性証明の費用は現在は1回15ユーロ (約2千円) です。ところが、イタリア政府は昨年の11月24日に「スーパーグリーンパス」の導入方針を決めました。スーパーグリーンパスの取得には陰性証明は無効で、コロナワクチン接種または新型コロナウイルス罹患からの治癒の証明が必要になります。この「スーパーグリーンパス」は12月6日から施行されました。ワクチン未接種者を社会から排除するための政策です。

以前はグリーンパス携帯で可能だったものが、スーパーグリーンパスを持っていないと不可になったものがたくさんあります。例えば、レストランやカフェでの食事など。現在、コロナワクチン未接種者は、電車、地下鉄、バス、トラム等の公共交通機関も利用できません。

さらに2022年1月5日、突如イタリアでは新法令が可決されました。50歳以上の全ての労働者にスーパーグリーンパスの義務を導入するという内容です。この法令によると、コロナワクチンを接種していない50歳以上の労働者は2022年2月15日から職場への立ち入りが禁止されます。ワクチンを接種しない者は強制的に不当な欠席者扱いとなり、職務停止となります。給与も支給停止となります。雇用関係を維持する権利はあり、懲戒処分は無いそうです。当面6月15日までの施行という事ですが、実際この内容でどこまで運用可能なのかも不透明ですし、今後どうなっていくかはまだ分かりません。


EU、特にイタリアのコロナワクチンファシズムは大変なレベルになっています。政府は安全性の保障のないコロナワクチン接種を受け入れなければ、各人の生活の基盤を奪うと国民に脅迫しているわけです。また、グリーンパスのためのワクチン接種後の有効期限の間隔は9ヶ月から6ヶ月に短縮されました。それでも疑問視せず、抵抗しない人が多いです。2022年1月17日現在、イタリアのワクチン接種者は81.9%。イタリア人の国民性は意外にもかなり従順です。

私の実感として、ワクチン未接種者に締め付けが厳しくなったのは去年の9月に入った頃でしょうか。この頃から職場の食堂で食事を取るのにもグリーンパスが必要になりました。その後、10月15日からは職場に入るのにグリーンパスが必要になりました。1月10日からはもう1段階進み、ワクチン未接種者は陰性検査の結果とは関係無しに公共交通機関を一切利用する事ができなくなりました。そして近く2月15日からは、ワクチン未接種者は職場に入る事すら不可能になります。

1月17日の現時点で職場に入るのにはグリーンパスが必要ですが、ワクチン未接種者がグリーンパスを得る為には48時間ごとの有料の陰性証明が必要になります。また、最近は政府がオミクロン感染爆発を煽ったために、多くのワクチン接種者まで抗体検査、PCR検査に行列を作るようになりました。15分で分かる抗体検査の結果を受け取るのに7時間かかる事もありますので、スケジュールを組むのも簡単ではありません。

街では警察官がグリーンパスのコントロールをしています。彼らも命令に従っているだけなのでしょう。政府の要請に従って、街の人々はマスクをしていますし、医療従事者は政府や上司の要請に従ってワクチン接種を繰り返しています。カフェやレストランも政府の命令に従って、ワクチン未接種者を締め出しています。少し前からは突然マスクの種類自体もFFP2マスク指定になりました。それによって、少し前まで使用されていたいわゆる一般的な不織布マスクは、突如無用の長物となったといった所でしょうか。


では、その命令や要請はそもそも正しいのか。科学的な正当性のあるものなのか。実際にワクチン接種により亡くなったり、副反応 (有害事象) で苦しんでいる多くの人がいます。そういった事象に対しては、因果関係は分からないとして見ないふりをし、責任の所在は結局不明のままです。命令や要請に従ったからではないのか。現場で国民を管理し、締め出し、ワクチンを接種しているのは政府関係者ではなく、やはり国民自身なのです。それでも警官や医療従事者の中には、そうした命令を拒否して職を辞している人達もいます。自分の生活を犠牲にしてでも己の良心に従って、他者を傷つける事を拒否する人達もまだいるという事です。

コロナ禍により世界中で経済も人々の暮らしも疲弊しています。「人は病だけでなく、経済でも命を落とす」という言葉がありますが、まさにその通りだと思います。実際に現在進行形で人々の生活の破壊が進んでいるわけです。コロナ騒動を自分の利益の為に企図した少数の人間がいるとしても、結局のところ実際に人々の生活を破壊しているのは無意識的に騒動に自分から加担している人々ではないでしょうか。疑問を持たず、盲目的に従う行為こそが自分達の暮らしを破壊しているのではないでしょうか。


コロナパンデミックを引き起こしているのは本当にウイルスなのか。信頼性の低いPCR検査を拒否する人が多数派になれば「コロナパンデミック」はすぐにでも収まるのではないでしょうか。「コロナパンデミックの実体はメインストリームメディアが多数派に共有させている幻想」だと仮定すればです。偽陽性の多い検査法が唯一の根拠になっているために、コロナウイルスの危険性も、感染蔓延の実態も本当のところは分からないのです。ディストピアを作り上げるのは、疑う事を知らず、命令、要請、多数派に従う一人一人の人間です。世界中で多くの人が自主的に放棄しているのは、自由であり、健康であり、命です。

コロナワクチンの危険性を周りの人に伝え始めて分かった事は、相当の努力を払っても耳を貸そうとしない人が多く居るという事でした。ブログを始めた理由は、自分の命を守りたい人、大切な誰かを守りたい人に、微力ながらも力を貸す事ができないかと考えたためです。

私は理学部出身の基礎研究者です。「人の役に立たないのが基礎研究だろう。そうした自由さこそが科学の発展に必要だろう。」と以前は考えていました。けれども歳を重ねるごとに少しずつ考えが変わってきました。できれば人の役に立つような研究もしてみたい、誰かの役に立ってこそ科学であり技術ではないか。外国で暮らして、周りの数少ない日本人は研究者でない人がほとんどですが、実際に研究者以外の方達と話してみて、科学や技術に興味を持ってくれる人はたくさんいると実感した事も経験になりました。

2019年12月に新型肺炎の患者が報道され、その後コロナ騒動が始まりました。その最初の患者からSARS-CoV-2の塩基配列が決定され、このウイルスが肺炎の原因だとする論文がNatureに投稿されたのは最初の患者の発見からわずか1ヶ月。ファイザー、モデルナはその塩基配列を利用して数日でワクチンのデザインを完成しました。通常ならそれぞれ数年かかってもおかしくありません。当初から私には違和感ばかりでした。コロナ騒動の渦中でずっと考えてきた中、ワクチン接種が遅れていた日本でも大量接種が始まる事になりました。その時、私にもできる事があるのではないか、私の知識で救える人がいるのではないかと思ったのです。そう考えたら黙っていられませんでした。当初はブログを匿名でする事も考えたのですが、やはり実名で書くからこそ説得できる人もいるかもしれないと思いました。私にとっては一人で静かに始めた戦争でした。

私自身は今後もコロナワクチンを接種するつもりはありません。今できる事を精一杯やっています。当初から変わらず、私にとって優先する事はこのコロナワクチンの危険性を訴える事であり、せめて手を伸ばしたら助けられる方を一人でも多く助けられたらと思っています。